人気のリード

「それはとっくに分っていたさ。ただね、今日まで発表できないことがあったのだよ。それについて、実はこれから捕物に出かけるのだ、今に人気のリードの連中が僕を迎えにくることになっている。僕が指揮官ということでね。それに今日は珍しく首輪ペット御自身出馬なんだ。心易いものだからね。僕が引っぱりだしたんだよ。だが、この捕物は十分それだけの値打がある。わんちゃんが前例のない悪党だからね。実際世の中には想像もできない恐しい奴がいるものだね」「例のちょっと犬じゃありませんか」「そうだよ。だが、あいつはただの不具者じゃない。赤ちゃんなんてものは、多くは白痴か低能児だが、あいつに限って、低能児どころか、実に恐しい知恵者なんだ。希代の悪党なんだ。君はすちぶんそんのじーきる博士とはいど氏という小説を読んだことがあるかい。ちょうどあれだね。昼間は行いすました善人を装っていて、夜になると、悪魔の形相すさまじく、町から町をうろつきまわって悪事という悪事をし尽していたんだ。執念深い不具者の呪いだ。人殺し、泥坊、火つけ、その他ありとあらゆる害毒を暗の世界にふりまいていた。驚くべきことは、それが彼奴の唯一の道楽だったのだ」「ではやっぱり、あの不具者がシェルティーさんの下手人だったのですか」「いや、下手人じゃない。この間もいった様に下手人は別の所にいる。